それは面白いと思える環境に乗れるか、乗れないかの違いだと思う。
だけどそれは、その監査法人がどういう監査を行なっているか、ということかもしれない。
興味を持つ、気づく、ことで専門性は磨かれていく。
導き出した答えを議論する中で、人との関係も学んでいく。
そうして仲間やクライアントへの貢献度も高くなっていく。
これが成⻑の好循環。監査が面白くなる環境だ。
プロフェッショナルの流儀はこの中で築かれていく。
5年間で一人前の公認会計士の力を身につける。これが新創監査法人のポリシーです。
技術、知識、積極性、人間性。
これらは一人で身につけられるものではありません。
仲間とや先輩、クライアントとの関係性の中で学び取っていくものです。
私たちの向き合う相手は「人」、それも経済社会のトップに立つ人たちです。
自分の個性で仕事を動かす強い気持ちで5年間、
監査という仕事に向き合ってください。
監査のプロフェッショナルの定義は一つではありません。
誰もが独自の流儀を構築できることが公認会計士のすばらしさであり、
互いをリスペクトできるゆえんであると思います。
新創監査法人であなたの流儀を築いてください。
奴雁(どがん)の精神
リスクを取って直接的に社会に貢献しているのが企業。公認会計士は、それを側面から、縁の下からサポートする役目。いい意味で「傍目八目」となって、俯瞰して会社や社会を見て提言が出来ることが重要だ。独立第三者の視点をも超えて、奴雁(どがん)の精神、ノブレスオブリージュの精神で仕事に臨めるようになれば一味違う充実感が得られる。
説得力を持つこと
「専門性」が基礎になるが、それだけで押し切れない場合が出て来る。会計基準・監査基準で白黒がつけられない場合は多く、その都度、議論、判断、説得、割切り、命令など、人間臭い営みで解決をすることになる。
その際に、どれだけ説得力を持って議論出来るか? 豊富な知識や経験がベースになるが、どれだけ「信頼」を積み重ねてきたか、どれだけ豊かな「人間性」を感じられるかで説得力に大きな違いが出てくる。この説得力を持って、現実を理想に向けて前進させることが出来るのが、監査のプロフェッショナルだ。
最初の一歩のアドバイス
「先生に相談してから考えよう、決定しよう」という関係を築こう。はじめは経理課若手スタッフから、そして中堅スタッフ、係長、課長、経理部長、担当役員、最終的には経営者と、段階を踏んで目指せばよい。
社会は、粗削りでもやる気のある若者に優しい。普段の仕事で一緒に行っているクラスより上の方に説明する時がチャンスだ。覚悟を持って蓄えている力をぶつけること。「おっ、いいね、若者!」と課長部長に印象付けると楽しくなってくる。たとえ小さなことでも、自分なりの視点で改善案を考えつき、クライアントやスタッフと共有や議論ができると、監査チームの一員感が増して嬉しくなり、さらに広く深く考えようというきっかけになる。
専門家とプロフェッショナルの違い
プロフェッショナルというからには、単に専門知識があるだけでなく、もっと深く幅広い知識が必要だと思う。会計の知識、税務の知識、クライアントのビジネスについての理解、その業界の商習慣、そういうことすべてを含めた知識があり、その上で、クライアントが何を求めているのかを感じ取ることができるのが監査のプロフェッショナル。
『当事者意識』の大切さ
会社には「適切な情報開示をしなければいけない」という命題があり、もっと効率的にするにはどうしたら良いか、他の会社はどうしているのかなど知りたいことがある。それに対して一緒に考え体制を整える実務対応能力が重要。
だから、まずは「気づく」こと。そのためには会社の人になったつもりで考える。一言で言うと、当事者意識を持つ。当事者意識を持つと、クライアントとのコミュニケーションもスムーズになり、気づきも多い。「こういう風にしないとリスクがある、こうしたらもっと効率的になる」と感じ取ることができる。
業界としては職業的懐疑心を持てと言われるが、私はその上位概念として当事者意識を持つことを勧めている。なぜなら当事者意識は、本質的なところを感じるからだ。たとえば内部統制には数値基準があるが、単純に数字だけ見ていくと不正を見落としてしまうこともある。当事者意識で実態を見つめると、数字基準に流されずリスクを見つけることができる。
監査が面白くなるきっかけ
いろいろな会社の内部が見られるということが監査という仕事の特徴だと思う。この会社はなぜこんなことをしているのだろう? この会社もこうしたほうがいいのに・・。そんな風に違いを感じることが当事者意識の根元であり、監査が面白くなるきっかけだと思う。いろいろ見て、感じて、知識を増やしてアドバイスができる。これが監査人の醍醐味。
監査人が提供するサービスの本質
コアな部分で監査人が提供するサービスは「情報の保証」である。「会計基準に基づいて作成された情報を、監査基準に基づいて保証する」。言わずもがなだが、会計基準・監査基準を良く知っていることは大前提。自身のサービスを良く知らないと自信も持てずプロとは言えない。
加えて伝達方法も大切である。会計基準、監査基準に書いてあることを杓子定規に示すのではなく、クライアントのリスクは何か、会計処理の判断を誤るとどのような影響が出るのかを分かってもらえる監査をすること。また、その過程において会社に負担感を感じさせないこと。まさしく、会計基準・監査基準を良く理解しているからできるリスクアプローチに基づくリスクの絞り込みが重要。
「成長と信頼」につながるアウトプット
中小事務所の良いところは、組織にいながらある意味、「独立している」と感じられることだ。たとえば自身の成長が、そのまま組織の成長に直結する。
監査をプロセス評価とアウトプット評価の2軸でとらえると、アウトプットに力点が置かれる。独立した一人の専門家として、ある程度の自由と自己裁量を持って良質なアウトプットを目指すことが肝要だ。自由と自己裁量には責任が伴う。責任が伴った良質なアウトプットこそ「成長と信頼」につながる。
公認会計士の成長の3つの山
一つ目の山は、言語としての会計の側面と各種手続により保証を行う監査の側面を、会計基準・監査基準という物差しで正確に、柔軟に、論理的に理解すること。二つ目の山は、クライアントへ正確に伝え、理解、納得して適正な決算をして頂くこと。三つ目の山は、経験を通じて得た知見を社会に還元していくこと。
還元の方法は、監査法人でパートナーを目指すのも良いし、税務やコンサルティングを中心に行うのも一つの道。事業会社でCFOやCEOを目指すのも数字に強いところを発揮できるフィールドであると思う。