JICPAカンファレンス開催 〜中小監査事務所の「基盤強化」と「情報開示」
JICPAカンファレンスの二日目(4月5日)、新たな監査の担い手として注目を集める「中小監査事務所」にスポットを当て、その活用について議論しました。モデレーターをつとめた柳澤統括代表は、協会の支援策として、中小監査法人の「経営基盤強化」と「情報開示」を示し、パネリストにご意見を伺いました。パネリストの皆さんからは中小監査法人へのメッセージをいただきました。
[ポイント]
●上場会社監査事務所の経営基盤強化
6つの基盤(品質管理、ガバナンス、IT・デジタル、人材、財務、国際対応)を強化する具体策を、今後協会が検討・実行。
●監査事務所の情報開示
情報開示の充実により比較可能性を高め、経営基盤強化の取組を加速する。
①監査品質向上に向けた取組(メッセージ)・事務所概要
②6つの経営基盤の説明
③監査法人のガバナンス・コードへの対応状況
[パネリストからのメッセージ]
日本大学商学部 教授 堀江正之様
「何のための管理か深く考えてみることから工夫が生まれる」
品質管理基準の心がどこにあるかを考えて欲しい。「柔軟性」と「主体性」がキーワード。定められたからやらなければいけないのではなく、何のための管理かという「目的」を考えて前向きに取り組んで欲しい。
金融庁企画市場局 西山香織様
「監査品質の確保」
大手監査法人も中小監査法人も、市場のゲートキーパーとしての役割は変わらない。だから、監査品質の確保が北極星。進む道は違うけれど、志は一つ。人材育成やITは個々の監査法人では難しいので協会の支援は重要。情報開示はトップの姿勢、法人の強み、ゴールなどを主体的に開示していただきたい。
監査法人コスモス 統括代表社員 新開智之様
「初心を貫く覚悟」
監査を独占するということは「義務」がある。任されていることに感謝しながら、どのように社会に貢献できるかを考えていく。監査事務所はポリシーを持って事務所の枠組みをつくることが大事。社内では代表メッセージ(理念)を浸透させながら業務に取り組んでいる。市場の期待に応えるよう、さらに主体性を持って対応していきたい。
《パネリスト》
日本大学商学部 教授 堀江 正之
金融庁企画市場局 企業開示課 開示業務室長 西山 香織
監査法人コスモス 統括代表社員 公認会計士 新開 智之