会社経営の進むべき道を見つける 「企業再生・コーポレートガバナンス」
税務は、会社経営のターニングポイントに大きな役割を果たします。本書では「再生、整理、破産」、そして経営を強化するコーポレートガバナンスについて法律・経理・税務の三方面からアプローチしました。
「再生、整理、破産」は、近年、社長の高齢化・後継者不足により急増が見込まれ、経営者を悩ませる深刻な問題になりつつあります。一方で、会社経営を強化しようとコーポレートガバナンスが注目されるなか、国税庁は大企業向けに「税務に関するコーポレートガバナンス」を発表しました。
コーポレートガバナンスと税務を結びつける考え方はまだ始まったばかりですが、この考え方は、中小企業にも大変有用であると考えています。きちんとしたガバナンス(内部統制を含む)は税務コンプライアンスの向上につながり、有利な税務処理を行うことによって会社の成長につながっていきます。もちろんガバナンスの強化は税務だけでなく、中小企業の経営そのものを強固なものにしていくでしょう。
この流れの実現には、税理士、公認会計士、会社の税務を預かる担当者(中堅会社以上)、中小企業の経営者の方々が、会社に深く関与することが必要になってきます。そこで本書では、中小企業のコーポレート・ガバナンス・コードを補論として加えました。本書が実務のノウハウに加え、会社の進むべき道を見つける一助になれば幸甚です。
[本書のポイント]
・コーポレートガバナンスの会社法や金商法等の制度的な取組み
・税務コンプライアンスにつながる中小企業のコーポレートガバナンス
・中小企業版コーポレートガバナンスコード(私案)
執筆:柳澤義一(新創監査法人統括代表社員)、椿本雅朗(公認会計士・税理士)、井ノ上正男(弁護士)、額田一(公認会計士・税理士)