IFACローマ大会参加<3>【DTTミラノ事務所訪問 ~イタリアの会計・税務の理解を深める!】
DTTミラノ事務所訪問
■日時:11月11日(火)
■スケジュール
7時~10時 ローマ→ミラノ 移動
10時~12時 ミラノ市内観光→ミラノ事務所へ移動
12時~13時 ランチミーティング
13時~15時 ミラノ事務所経営陣とのミーティング
16時~19時 ミラノ→ローマ 移動
■メンバー:5人
監査クライアントである、DTTの海外事務所であるミラノ事務所を訪問しました。海外で活躍する会計士との交流はとても刺激的です。イタリアの会計・税務を伺うことによって、日本との状況の違いなどを通じて会計・税務のより深い理解に役立ちました。
ローマからミラノへ
高速列車フレッチャロッサでミラノへ(ROMA TERMINI / 07:00 – MILANO CENTRALE / 10:00)。 ローマからミラノまでは580km。日本でいうと青森あたり。1等席は、飲み物と軽い軽食が出る、食堂もある高速列車です。快適な旅でした。
ミラノ到着
ミラノは、イタリアの経済の中心地であり、ローマと比べてきれいな街です。
ミラノコレクションで有名なように、ファッションの街でもあります。
ここで、劇場をクライアントとして持つ興味から、スカラ座も見に行ってきました。歌舞伎座と比べて、普通の建物です。横にある建物との違いが判りません。歌舞伎座のインパクトの強さをあらためて感じました。
ミラノ事務所、到着
さすがにイタリアです。色が派手です。ここで有限責任監査法人トーマツから出向されている、会計士の岸貴之さんが我々を出迎えてくれました。まずはご挨拶も兼ねて、近くのレストランで昼食を食べました。ちなみにメニューは、ミラノ風リゾットをおいしく頂きました。サフランで黄金に輝くリゾットです。
この場には、日本人女性スタッフの方も同席していただき、岸会計士がイタリアでどのようなことを行っているかを教えていただきました。こちら側からは、最近の日本の状況についてお伝えをして意見交換をしました。岸さんは、主にデロイトの日系企業サービスグループのメンバーとして、日本企業のイタリアでの活動とイタリア事務所そして日本(当該日本企業、DTT日本)とのコーディネーションを行っているとのこと。日系企業は欧州各地に点在する拠点の統合を進めていく方向にあるため、欧州内各国に配置されている日系企業サービスグループのメンバーとの連携が非常に重要であるとおっしゃっていました。
イタリアミラノ事務所 日系企業サービスグループパートナー陣とのミーティング
【イタリア事務所概況】
まず、イタリア事務所の概況について伺いました。
イタリアはEU加盟国であるため、ヨーロッパ全体としての流れに沿うことが多いとのこと。ヨーロッパ全体、ひいては世界全体の視点をもって、クライアントの要望に応えることが当然重要であると考えているとのこと。イタリアにおいてDTTのシェアは大きく、各ファンクションの責任者を中心に様々なサービスラインに答えられるようにしている。監査・会計・税務はもちろんのこと、M&Aアドバイザリー、コンサルティング、法務部門にも力を入れ、フルラインのワンストップサービスを提供できる体制になっているとのことでした。
イタリア独自の話としては、税制が複雑であることや解雇制度等の労働規制が柔軟でない点が問題点として挙げらているものの、現首相のレンツィ氏による改革に対する国内での期待感も高いとのことでした。
【日本とイタリア事務所】
日本とのかかわりについては、日系企業サービスグループのパートナー陣はかなり頻繁に日本に訪問しており、積極的に日本/イタリアの情報交換を行っているとのこと。日本企業のM&A案件などは、ファッションや食品のみならず、機械や通信といった企業のM&Aに興味を示す企業も多いとのことでした。
【イタリアのIFRS状況】
イタリアにおいて、IFRSの状況は、上場企業、特定企業(銀行など)などはIFRSが強制適用(連結・個別)それ以外は、強制適用会社の関係会社、連結財務諸表作成会社(総資産、営業収益、従業員数などがある程度大きい会社)とその関係会社については、任意適用可とのことで、それ以外は、適用できないことになっているとのことでした。
一方、Italian GAAPとIFRSとの差異は、のれん償却やリース等について差異が存在するとのこと。近年国内基準が改訂され、固定資産のコンポーネントアプローチの考え方が導入されるなど、IFRSとの差異は縮小してきているとのこと。
ここで時間が来たため、対応してくれた皆さんにご挨拶と日本からのお土産を手渡し、ミラノ事務所訪問を終えた。